人生のやり直し

無職で独身の三十路男が全くの未経験からWebデザイナーを志すお話

映画(新しい方)のITを観たので感想を綴っておこうと思う

スティーブンキング原作の映画を観るといつも思う。

スティーブンキングはホラーの帝王とか言われてるけど、恐怖を表現したいのではない、と。

スティーブンキングはホラーという枠組みの中で、恐怖の中にいる人間について描写したいんじゃないか。

よくそう思う。

 

作品を読む人に対して、恐怖を提供したいのではなく、恐怖の中にある人間を描写することによって何らかのテーマを伝えようとしてるんじゃないか。

 

Itは幼少期に観てトラウマになり、高校のときに原作を読み、30歳なった今再び映画を観た。

僕と同年代だったら、この映画を観てピエロが怖くなったって人はけっこう多いんじゃないかな。

 

それでは、リバイバルされた映画itを観て感じたこと3つ。

 

1.青春映画

まず、この映画はどちらかというと青春映画。

人知れず町の人たちを襲う怪物を友達と協力して倒すというのがストーリーの大筋なので、青春的なノスタルジックな雰囲気が作品を通して流れている。

ピエロの怪物というのも、ノスタルジックな要素の1つだと思う。

そして、なんといっても主人公達が訪れる廃墟がたまらない。

まさに、理想的な廃墟だ。

おどろおどろしいながらも、どこか幻想的でメルヘンチックでさえある。

ヒロインの女の子がかわいいというのも、大事な要素だよね。

 

2.映画サイズに切り取るうまさ

映画の中の主人公達は、たぶん中学生くらいなんだけど、原作だと中年。

これはなぜかというと、原作は「子供のときに襲ってきた怪物をみんなで倒したけど、蘇ってしまってさあ大変!」ってストーリーなんだけど、映画は「少年達が力を合わせて怪物を倒しました」というストーリー。

原作は恐ろしく長い(辞書みたいな厚さの本で上下巻ある)ので、映画サイズにするときにストーリーの全ては入れられなかったんじゃないかと思う。(ホラーを三部作とかにするのも微妙だしね)

そこで、少年期だけのエピソードに絞って青春映画にしてしまったのは、かなりの決断だと思う。

Itが映画史に残る作品になったのは、脚本の英断に依るところも大きいんじゃないかな。

 

3.最初の方は意味不明

あの冒頭のすごく有名なシーンあるじゃん。

黄色いレインコートを着た男の子が、下水道にいるピエロの怪物に襲われるシーン。

それ以降はしばらくかなり意味がわからない展開が続く。

主人公とその仲間達だけで7,8人いる上に、いじめっこ達も3人くらい出てきて登場人物が多い。

ピエロもどんどん人を襲うんだけど、襲われてる人が誰なのかわからない。

しばらくは堪えるか、集中して登場人物みんなの名前まで覚えるしかない。

途中から、少年達が団結して謎を解いていく感じになるんだけど、そこら辺でようやくストーリーが把握できてきて面白くなってくる。

 

 

総括としては、少年期の冒険とそれに伴う恐怖、そして初恋の甘酸っぱさみたいなものをいい感じにブレンドした映画だと個人的に思います。